不動産用語集

品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)

品確法の定義

  1. 住宅
    人の居住の用に供する家屋または、家屋の部分
  2. 新築住宅
    新たに建築された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもので、工事の完了の日から起算して1年未満のものをいう。
  3. 日本住宅性能表示基準
    住宅の性能に関し、表示すべき事項およびその表示の方法の基準であって、品確法3条の規定により定められたものをいう。

日本住宅性能表示基準

(品確法3条)

  1. 国土交通大臣および内閣総理大臣は、住宅の性能に関する表示の適正化を図るため、日本住宅性能表示基準を定めなければならない。この場合においては、併せて、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき住宅の性能の評価方法基準を定めるものとする。
  2. 日本住宅性能表示基準および評価方法基準は、利害関係人の意向を適切に反映するように、かつ、その適用に当たって同様な条件の下にあるものに対して、不公正に差別を付することがないように定めなければならない。
  3. 国土交通大臣は、必要があると認めるときは、定めるべき日本住宅性能表示基準又は評価方法基準の案について、公聴会を開いて利害関係人の意見を聞くことが出来る。

住宅性能評価

  1. 住宅性能評価(品確法5条)
    国土交通大臣の登録を受けた登録住宅性能評価機関は、申請により、評価方法基準に従って住宅性能評価を行い、標章を付した住宅性能評価書を交付することができる。
  2. 何人も、1.の場合を除き、住宅の性能に関する評価書、住宅の建設工事の請負契約もしくは売買契約にかかる契約書又はこれらに添付する書類に、その標章又はこれと紛らわしい標章を付してはならない。
  3. 住宅性能評価書等と契約内容(品確法6条)
    登録住宅性能評価機関が交付した住宅性能評価を請負契約書や売買契約書に添付した場合においてはm当該住宅性能評価書に表示された性能を有する内容の住宅についての契約がなされたものとみなす。ただし、請負人又は売主が、請負契約書又は売買契約書において反対の意思を表示しているときは、この規定は適用しない。

指定住宅紛争処理機関の指定等

    1. 国土交通大臣は、弁護士会又は一般社団法人もしくは一般財団法人であって、紛争処理の業務を公正かつ的確に行うことができると認められるものを、その申請により、紛争処理の業務を行うものとして指定することができる。
    2. 指定住宅紛争処理機関は、建設住宅性能評価書が交付された住宅の建設の工事の請負契約又は売買契約に関する紛争の当事者の双方又は一方からの申請により、当該紛争の斡旋、調停及び仲裁の業務を行うものとする。

住宅紛争処理支援センター

国土交通大臣は、指定住宅紛争処理機関の行う紛争処理の業務の支援その他住宅購入者等の利益の保護及び住宅にかかる紛争の迅速かつ適正な解決を図ることを目的とする一般財団法人であって、支援等の業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、全国に一を限って、住宅紛争処理支援センターとして指定することができる。

瑕疵担保責任の特例

      1. 住宅の新築工事の請負人の瑕疵担保責任の特例(品確法94条)
        住宅新築請負契約においては、請負人は、注文者に引き渡したときから10年間、住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分として政令で定めるものの瑕疵について、民法634条に規定する担保の責任を負う。
        a. 政令で定める構造耐力上主要な部分
        基礎・壁・柱・小屋組・土台・斜材・床版・屋根版・横架材をいう。
        b. 政令で定める臼井の侵入を防止する部分
        ①住宅の屋根もしくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸、わくその他の建具
        ②雨水を排除するために住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根もしくは外壁の内部又は屋根にある部分
      2. 新築住宅の売主の瑕疵担保責任の特例(品確法95条)
        新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡したとき(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、民法634条に規定する担保の責任を負う。

瑕疵担保責任の内容

    1. 内容
      責任の内容 行使期間
      請負人 瑕疵修補請求 引渡しから10年
      損害賠償請求
      売主 (目的不達成のとき)契約の解除 引渡しから10年
      瑕疵修補請求
      損害賠償請求

      ①売買、請負ともにこの規定よりも買主、注文者に不利な特約は無効となる。
      ②買主は売主に対し、瑕疵担保責任の追及として、瑕疵の修補請求はできるが、損害賠償請求をすることができないとする旨の定めは無効である。

    2. 特約(品確法97条)
      住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約においては、請負人が担保の責任を負うべき期間または売主が住宅の隠れた瑕疵について担保の責任を負うべき期間は、注文者または買主に引き渡した時点から20年以内とすることができる。
      ①品確法による瑕疵担保責任は、全ての新築住宅について、その住宅の構造耐力上主要な部分または雨水の侵入を防止すべき部分について適用される。
      ②品確法による瑕疵担保責任においては、売買契約の買主も、瑕疵修補請求をすることができる。
      ③品確法による瑕疵担保責任の行使期間は、引渡しから10年間であり、この機関を短縮することはできないが、20年以内の範囲で伸張することはできる。
    3. 適用除外(品確法96条)
      この規定は、一時使用のため建設されたことが明らかな住宅については、適用しない。
    4. 他の法律との関係
      新築住宅で、品確法の瑕疵担保責任の規定が適用される場合でも、民法及び宅建業法の規定が排除されるわけではない。
      たとえば、宅建業者が自ら売主となってマンションの売買を行った場合、その基本構造部分については品確法による責任を負い、基本構造以外の部分については民法及び宅建業法による瑕疵担保責任を負うという関係になる。
    5. 国及び地方公共団体の措置
      国及び地方公共団体は、住宅の品質確保の促進、住宅購入者等の利益の保護及び住宅にかかる紛争の迅速かつ適正な解決を図るため、必要な情報及び資料の提供その他の措置を講ずるよう努めなければならない。