不動産用語集

防災設備

自動火災報知設備

自動火災報知設備は、発信機、受信機、警報機などからなり、発信方法には、人が発信機のスイッチを押すタイプと感知器により発信するタイプがあります。

  1. 感知器
    差動式熱感知器
    感知器周囲の温度が急激に上昇すると作動するもの。ゆっくり温度が上昇した場合は、高温状態になっても作動しないという欠点がある。
     a.スポット型  局所的な温度上昇に対し効果的
     b.分布型    熱感応部分(空気膨張部分)を空気管として広範囲にわたる部分の温度上昇に対し作動する

    定温式熱感知器
    一定温度以上になると作動するもの。このタイプは、スポット型となる

    煙感知器
    光電式の煙感知器は、内部に煙が入ることによって、光が遮断されスイッチが入る。

    ガス漏れ警報機
    感知器の取り付け位置は、ガスの種類によって異なる。
    都市ガス       燃焼機器から8m以内の範囲、天井下30cm以内
    プロパンガス(LNG)  燃焼機器から4m以内の範囲、床下下30cm以内
    ※出入口等の換気のよい場所では、検出できない場合もあるので設置しないようにする。

  2. 発信機
    発信機は押しボタン式の発信装置で消火栓の近くなどに設置する。
  3. 受信機
    受信機は、感知器または発信機からの信号を受け取ることによって発報場所(火災発生場所)が確認でき、さらに建物全体の警報器を一斉に作動させる装置である。設置場所は、守衛室や管理室、中央管理室など常時人のいるところとする。警報音は音源の中心から1mはなれた場所で、90dB以上など定められた規定値以上の音量が必要である。

住宅用防災機器

平成18年6月1日の消防法の改正により、住宅用防災警報器の設置が義務づけられ、既存住宅でも平成20年6月1日から平成23年6月1日の間の各市町村条例により、設置義務化の期日が定められています。
(1)設置場所
 1.就寝の用に供する居室
 2.同居室(避難階を除く)から直下階へ通ずる階段(屋外を除く)
 3.住宅用防災警報器または感知器が設置される階以外のうち、床面積が7平方メートル以上である居室が5以上存する階の廊下
 ※台所には各市町村の条例により設置が必要な場合がある。
(2)警報器
 住宅用防災警報器は光電式住宅用防災警報器を用いること(上記(1)の3.の廊下についてはイオン化式住宅用防災警報器または光電式住宅用防災警報器)

 天井に取り付ける場合の条件 
  ①火災警報器の中心を壁や梁から60cm以上離す
  ②換気扇やエアコンなどの吹き出し口から1.5m以上離す
 壁に取り付けの場合
  ①天井から15~50cm以内に火災警報器の中心がくるようにする。
(3)維持管理
 住宅用防災警報器には交換期限があり、最大10年と規定されている。

防火・排煙設備

  1. 排煙設備
    火災時に発生した煙が、避難経路に侵入しないよう、非難の安全を図ることを目的とするものである。排煙方式には自然排煙と機械排煙があります。
    自然排煙口には、自動開放装置があっても、手動開放装置を設ける。
  2. 防煙たれ壁
    避難の安全を図るため、防煙たれ壁を設ける
    煙は天井付近を進み避難路に拡大するため、天井面から下方に50cm以上突出したたれ壁を設ける。比較的大きい室や避難路に設ける
  3. 防火ダンパー
    空調ダクト内に設置される温度ヒューズ付ダンパー(仕切り)のこと。一定温度になるとダクト経路を遮断し、延焼を防げます。マンションでは、台所レンジフードからのダクトや共用廊下に面する換気口などに設置されます。
  4. ドレンチャー設備
    建築物の屋根、外壁、軒下、開口部などに設置し、隣接建築物などからの類焼を防止するために水幕を作る装置のこと
    (消火も出来るスプリンクラーみたいなものです)

避難・誘導設備その他

  1. 誘導灯
    ①避難方向や避難口を示すもので、常時点灯しておかなければならない
    ②避難口誘導灯・廊下通路誘導灯・室内通路誘導灯・客席通路誘導灯などがあり、これらには大型・中型・小型の区分や点灯時間・緑色の点灯色などの規定がある
    ③避難口誘導灯および通路誘導灯の有効範囲は決められています
    ④非常用の予備電源は蓄電池で20分以上点灯できるものとする
  2. 非常用照明装置
    ①設置義務=3階以上で500㎡以上(ただし、採光上有効な直接外気に開放された部分を除く)
    ②非常用照明装置は、非常時に点灯するもので、通常の照明が停電などで消えた場合に、別電源で点灯する
    ③非常用照明装置は、直接照明とし、床面で1ルクス以上必要。
    ④非常用の予備電源は、蓄電池(または蓄電池と自家発電装置をくみあわせたもの)で30分以上点灯できるものとする
    ⑤一定の用途に供する特殊建築物の居室、およびこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路等の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない
    ※非常用照明装置は一戸建て住宅やマンション等の共同住宅については設置が義務付けられていない
  3. 非常用電源設備
    消火・防災にかかわる設備すべてに一般電源が停電したときのために必要となります。蓄電池や発電機などを用いますが、いずれにしても配線は耐熱処理が必要になります
  4. 非常コンセント設備
    消防隊が使用する器具の電源を供給するためのコンセント。単相交流100ボルト15アンペア以上の供給能力を要求されます
  5. 非常用エレベーター
    消防隊が、高層階の消火活動を行うためのエレベーター
    ①一般の避難経路として計画してはならない
    ②通常、サービスエレベーターなどとして使用してもよいが、非常時にはスムーズに切り替えられるような運用が必要です
    ③エレベーター停止階には、乗降ロビーが必要で、ロビーも含めて「たて穴防火区域」とする
    ④31mを超える高さの建築物には、原則として設置義務がある。また、一定の避難経路とは区別する(31mを超える階の床面積が500㎡以下または越える部分の階数が4以下で100㎡以内毎に防火計画されたものは設置不要)