不動産用語集

建築確認制度

建築物の安全性を確保するために、建築主は、建築計画が建築基準関係規定に適合していることについて、建築物の建築等に着手する前に、原則として建築主事の確認を受け、確認済み証の交付を受けなければならない。

基本用語

工事管理者
その者の責任で、建築工事を設計図書と照合し、工事が設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認する者

設計図書
建築物、工作物、敷地の工事実施のために必要な図面および仕様書を指すが、工事用の図面のうち現寸図は含まれない

建築主
建築物に関する工事の請負契約の注文者。また、請負契約によらないで自ら工事をするものも建築主である。

特定行政庁
次の行政庁をいいます。公人としての個人を指し、庁舎等の建物や市町村等ではありません。
①建築主事をおく市町村においては市町村長
②建築主事を置かない市町村においては都動府県知事

建築確認の要否

新築 移転・増改築 大規模修繕
大規模模様替
一定の特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が100㎡をこえるもの
大規模建築物 木造
非木造
その他の建築物 都市計画区域内又は準都市計画区域内 ×
都市計画区域および準都市計画区域外 × × ×

◎ 全国どこでも確認が必要
〇 都市計画区域および準都市計画区域内のみ確認必要
× 確認不要
一定の特殊建物とは・・・劇場・映画館・公会堂・集会場・病院・診療所・ホテル・旅館・下宿・共同住宅・寄宿舎・学校・体育館・百貨店・マーケット・キャバレー・バー・ダンスホール・遊技場・倉庫・自動車車庫・自動車修理工場・物品販売業を営む店舗・スポーツ練習場・テレビスタジオ等
木造の大規模建築物とは・・・木造の大規模建築物とは次のいずれかに該当するものをいう。①階数が3階以上②延べ面積が500㎡を超える③高さが13mを超える④軒の高さが9mを超える※これらの規模に満たない建築物が、増改築によりこの規模に該当するようになるときも確認が必要である。
非木造の大規模建築物とは・・・非木造の大規模建築物とは次のいずれかに該当するものをいう。①階数が2階以上②延べ面積が200㎡を超える※これらの規模に満たない建築物が、増改築によりこの規模に該当するようになるときも確認が必要である。

用途変更の確認の要否
建築物の用途を変更して、前述の規模の特殊建築物となる場合において建築確認が必要(例えば、一般建築物を特殊建築物にする場合や、特殊建築物から他の特殊建築物にする場合には酔うと変更が必要であり、特殊建築物から一般建築物にする場合には用途変更が不要である。

建築確認申請

  1. 建築確認の申請
    建築主は、工事の着手前に、建築主事または指定確認機関に申請書を提出して、建築確認を受けなければならない
  2. 建築確認・確認済み証の交付
    建築主事等は、申請にかかる建築物の計画が建築基準法等の用件に適合するかどうかを審査し、適合することを確認したときは申請者に確認済み証を交付しなければならない。申請者は、この確認済み証の交付を受けた後でなければ建築物の工事を行うことが出来ない。
  3. 建築工事
    建築工事の工程に、特定工程を含む場合は、その工事終了後に中間検査を受け、中間検査合格証の交付を受けなければならず、後続工程にかかる工事はこの中間検査合格証の交付後でなければ施工してはならない。
  4. 完了検査の申請
    建築主は、工事を完了したときは、建築主事等に検査の申請をしなければならない。
  5. 完了検査・検査済み証交付
    建築主事等は、完了検査の申請があったときから七日以内に、建築基準関係規定に適合しているかどうかを検査しなければならない。そして、適合していると認めたときは、建築主に検査済み証を交付しなければならない。
  6. 使用開始
    大規模建築物および特殊建築物については、原則として、検査済み証の交付を受けなければ建築物の使用を開始してはならないが、次に該当する場合は交付前であっても使用を開始できる。

1.特定行政庁(完了検査申請受理後は建築主事)が安全上・防火上・避難上支障がないと認めて仮使用の承認をしたとき
2.完了検査の申請が受理された日から七日を経過したとき

建築基準法が適用されない建築物

重要文化財等に指定された建築物と既存不適格建築物といわれる建築物がこれにあたる
1.既存不適格建築物とは
法令の規定の適用または施行時に現存し、または工事中の建築物で、これ他の規定に適合しない建築物。従前の相当規定に適合していた建築物は、原則として新規定を適用しないので違反建築物とはならない。
2.既存の建築物に対する制限の緩和
既存不適格建築物であっても、法律の施行または適用後に立替等の建築行為を行う場合は、原則として、施工後または適用後の規定が適用されることとなる。しかし、政令で定める範囲内で、増築、改築、大規模の修繕または大規模の模様替えをする場合、共同住宅等の各戸の界壁、昇降機の設置義務、用途制限、容積率当の規定の緩和が行われる。

建築物等の保全・報告義務

  1. 保全義務
    建築物の所有者、管理者または占有者は、その建築物の敷地、構造および建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。
  2. 維持保全計画の作成
    所有者または管理者は、特殊建築物等の敷地、構造および建築設備を常時適法な状態に維持するために、必要に応じ、その建築物の維持保全に関する準則または計画を作成し、その他適切な措置をこうじなければならない。国土交通大臣は、当該準則または計画の作成に関し必要な指針を定めることができる。
  3. 調査報告
    特定行政庁が指定するものの所有者(所有者と管理者が異なる場合は管理者)は、特殊建築物等の敷地、構造および建築設備について、定期にその状況を一級建築士もしくは二級建築士または国土交通大臣が定める資格を有するものに調査させて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
    なお、建築物の定期報告の時期は、建築物の用途、構造、延べ面積等に応じて、6ヶ月から3年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期とされている。
  4. 検査報告
    昇降機および特殊建築物等に設置されているその他の建築設備については、特定行政庁が指定するものの所有者(所有者と管理者が異なる場合は管理者)は、定期にその状況を一級建築士もしくは二級建築士または国土交通大臣が定める資格を有するものに調査させて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
    なお、建築物の定期報告の時期は、建築物の用途、構造、種類等に応じて、6ヶ月から1年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期とされているが、通達により1年間隔となっている。
  5. 届出
    建築主が建築物を建築しようとする場合または建築物の除去の工事を施行する者が、建築物を除去しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物または当該工事にかかる部分の床面積の合計が10㎡以内である場合においてはこの限りでない。